借入金から解放されるには?
こんにちは、八木です
昨今の状況を受け、借入金の増加に頭を悩ませる経営者も多いのではないでしょうか。
- 「借入金が膨らんで、年商と同じくらいになってしまった。」
- 「今の利益だと、全て返すのに20年はかかる。」
- 「このままでは自分の代で借金を片付けられないのでは・・・。」
こういった状況で出会う経営者の方から、
「借入から解放される状況が見えないけど、他の会社はどうやって復活してるの?」
と、よく聞かれます。
私は、これまで数多くの会社の復活に関わってきた経験を踏まえ、ポイントとして以下の2点をお伝えし、具体的な数字を一緒に書き出しながら、「借入金から解放される将来のイメージ」を持ってもらうようにしています。
1.借入金ゼロを目指す必要はない
借入金は「事業運営に必要な借入金」と「余計な借入金」に色分けできます。
前者は、事業を運営するために必要な在庫を確保したり、売上の回収を待つ間に次の仕入を行うために借りている借入金です。
「事業運営に必要な借入金」の範囲内であれば、銀行からの借換や追加借入もやりやすいので、会社のお金の循環がスムーズになり、借入に負担に感じることも少なくなります。
返さなければいけない借入金は、後者の「余計な借入金」です。
これは過去の赤字や、利益につながらない資産の購入が原因でできてしまった借入金と言えます。
ちなみに、銀行は、前者を「正常運転資金」と呼び、後者を「要償還債務」や「過剰債務」などと呼び、区別して融資先を評価しています。
借入金の全額返済がゴールとせずに、まずは、自社の借入金を色分けして、「余計な借入金」がいくらかを冷静に把握しましょう。
2.借入金は、絶対額ではなく、相対化して捉える
大きな借入を抱えた中小企業が復活する場合、私の経験上、借入金の金額自体はさほど減っていないケースが多いように感じます。
借入金は返せる範囲で淡々と返しつつ、本業を成長させることに集中することで、売上や利益が伸び、結果としてお金の流れがスムーズになって相対的に借入金の負担感を減らすことで復活していっています。
たとえば、
年間1000万円の利益で2億円の「余計な借入金」を返そうとすると、20年かかります。
まずはシンプルに利益を2000万円に増やすことができれば、10年で返済できます。
追加での資金調達が難しい中で売上や利益を伸ばすためには、自社の収益構造やお金の流れ、社員の動き方を徹底的に見直すなど、さまざまな工夫が必要です。
あなたの会社の利益を2倍にするのに、必要な売上はいくらでしょうか?
2倍ではないはずです。
さらに、本業が復活・成長すれば必要な売掛金や在庫も増えて、「事業運営に必要な借入金」も増えるので、「余計な借入金」が2億円より減ります。
そうすると、10年よりさらに短い年数での返済も可能ですね。
目の前の借入金の大きさに惑わされず、地道に本業を伸ばすことに集中すれば、当初は返済に20年かかると思っていたのが、2~3年後にはほとんどストレスを感じない世界が見えてくるはずです。
なお、今回はわかりやすさを優先して「利益」という言葉を使いましたが、実際に借入金返済を考える際には、「キャッシュフロー」(=稼いだお金)で考える必要があります。
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目の前の数字の重圧で思考停止に陥らないよう、
- 分解する
- 相対化する(何かと比較する)
ということを、ぜひ試してみてください。
借入金に限らず、経営の数字を見る際のポイントですね。
- 実際に自社の場合にはどう考えたらいいか?
- いまは問題ないが、自社の適正な借入金を知っておきたい。
という方がいらっしゃれば、一緒に決算書の数字を見ながら相談に乗ることもできますので、お問い合わせください。
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最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。
あなたのビジネスを発展・成長させるヒントになれば幸いです。
株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅