【社外CFO通信29】現預金はいくらキープしておく?

こんにちは。八木です。

みなさんの会社では、
手元に置いておく現預金を
どのように決めていますか?

成り行き任せの会社も多いですが、
判断の軸を明確すれば、
お金の不安を軽くできます。

ご質問をいただく機会も多く、
直近の事例で考えを再整理したので、
私なりの考えをシェアしてみます。

現預金を手元に置く目的によって、

1.日常的な決済用資金
2.臨時的な出費に備えた資金
3.万が一に備えた資金

に分類し、

1~3の合計額を
手元に置いておく現預金
と考えます。

順番にご説明します。

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1.日常的な決済用資金
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これは毎月の売上回収と
仕入や経費の支払のために
プールしておく資金です。

▼ケース①
・入金日:月末、
・支払日:月末

この場合、
少なくとも1ヵ月分の支払額は
キープしておく必要があります。

月末の入金をその日の支払に
充てるのは避けたいです。

▼ケース②
・入金日:月末
・支払日:20日

支払が先行するので、
①と同様の考え方です。

▼ケース③
・入金日:20日
・支払日:月末

入金が先行するので、
20日の入金を月末の支払に
充てることも可能です。

いずれの場合でも、
急な入金の遅れや、
月ごとの金額の波を考慮して、
合計1~2ヵ月分程度
手元に置いておきたいところです。

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2.臨時的な出費に備えた資金
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たとえば税金や賞与、退職金、
少額の設備投資など、
予測可能だが、臨時的に
発生する支払のための資金です。

基本的には、
1年間の資金繰り予定を立て、
支払の金額やタイミングに合わせて
資金をプールしていきます。

全体の支払とのバランスで
あまり影響が大きくなければ、
通常の資金繰りの波の中で
吸収できる範囲と考え、

ざっくりと+1ヵ月分の支払額を
臨時出費用に置いておく

という考え方でもOKかと思います。

なお、退職金に関しては、
支給予定額の6~7割程度を目安に
中小企業退職金共済や保険等で
外部積立しておくことを
おススメします。

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3.万が一に備えた資金
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「万が一」に何を想定するかで
考え方に差が生まれます。

私がよく想定するのは、

「何らかの理由で赤字決算になり、
新規の融資が出にくくなる状況」

です。

赤字決算後の1年間に加えて、
前後半年間を合わせて、
合計2年間、融資が得にくい状況が
続くことを想定します。

決算前の半年間は、
試算表が赤字になっている期間、

決算後の半年間は、
決算作業を経て決算が確定し、
銀行審査にかかる期間です。

以上より、
年間返済額の2年分
目安と考えます。

一時的に赤字になり、
新規融資が難しくなっても、
2年間返済を継続するだけの
資金を確保していれば、
当座をしのぐことができます。

実際には1度の赤字決算で
新規融資NGになるケースは
少ないですし、

年間返済額が大きな
会社もあります。

それらを考慮すると、
「年間返済額の1~2年分程度」
の確保が現実的かもしれません。

なお、上記は1年以内の黒字化が
見込める場合です。

実際に赤字になり、
黒字化に2~3年以上かかる場合は、
手元資金を確保した状態で、

早めに銀行返済の一時停止
(リスケジュール)
を検討することになります。

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まとめ
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以上より、

1.日常的な決済用資金
→1~2ヵ月分の支払額

2.臨時的な出費に備えた資金
→1ヵ月分程度の支払額

3.万が一に備えた資金
→年間返済額の1~2年分

1~3を合計した金額が、
手元に置いておきたい現預金の
考え方です。

実際、こんな会社がありました。

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▼前提条件
・月支払額15百万円
・年間返済額20百万円
・現預金残高40百万円前後

▼計算結果
1.15百万円×2ヵ月分=30百万円
2.15百万円×1ヵ月分=15百万円
3.20百万円×2年分=40百万円
→1+2+3=85百万円

▼検討結果
実際の資金繰りを踏まて
社長と相談し、

・85百万円は多すぎる
・1と2は余裕がある
・3は1年分を想定する

ということで、
60~70百万円を目安に、
2年間かけて少しずつ
現預金をキープしていきました。

具体的には、お金を残せるよう、
融資のタイミングや金額を
調整しました。

————

金利がもったいないから
余計な現預金は返済に回す、
という考え方もありますが、

金利を保険料と捉え、
手元に現預金を持っておくことで、
お金への不安を減らすことができ、

目先のお金にとらわれずに
経営判断ができるようになります。

その結果、金利分を上回る収益を
得ることができる
ので、
費用対効果も十分あります。

なお、たとえば、

・保険解約金返戻金
・保険会社からの契約者貸付
・倒産防止共済
・オーナー個人資産

なども考慮して、
いくら現預金を持っておくかを
検討してもよいと思います。

自社の実情に合った考え方を
ぜひ検討してみてください。

今回の内容は、
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最後までお読みいただき、
ありがとうございます。

あなたのビジネスを発展・成長させる
ヒントになれば幸いです。

株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅

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