【経営者のための『決算書』のトリセツ】「決算書」って何を指しているの?
こんにちは、八木です。
今後は、日々の活動を通しての気付きに加えて、これまで数多くの中小企業をサポートしてきた中で、
- どんな着眼点で経営を見てきたか?
- どんな取り組みが成果につながってきたか?
などを、少しずつお伝えしていこうと思います。
経営者や経営者を目指す方々には、回り道することなく会社を成長させるために、ぜひ知っておいていただきたい実践的な知識やノウハウです。
第1弾は、
【経営者のための「決算書」のトリセツ】
と題して、全ての会社が作成している「決算書」を有効活用するポイントをお伝えしていきます。
「決算書は、税理士から受け取って、ざっと眺めるだけ」という経営者も多いのではないでしょうか。
私が具体的な相談を受ける場合、過去3年分程度の決算書を見せていただきます。
会話の中で直接お伺いする悩みや課題はもちろん大事ですが、定量的に経営の結果を表した「決算書」から読み取れる事実も同様に重視しています。
「決算書」から読み取れる客観的な事実と突き合わせながら、相談者のお話される悩みや課題を伺い、整理していきます。
さらに「決算書」から直接読み取れる事実だけではなく、「決算書」を起点に内容を掘り下げたり、全体を俯瞰したりといった材料としても活用しています。
そういった場面で私が行っていることは、経営者にとっての「決算書」の効果的な活用方法であり、日々の経営の仕組みとして取り入れるアイデアが多く含まれています。
本ブログでは、数字が苦手な方でもわかりやすいように、テーマを分けて少しずつご紹介していきます。
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それでは、今回のテーマ、
「決算書」って何を指しているの?
をお伝えしていきます。
①狭義の「決算書」
一般的には、
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
の3点を指します。
損益計算書には、
- 製造原価報告書
- 販売費及び一般管理費明細(販管費明細)
も含まれます。
合計5~6枚程度ですね。
経営者の方々も「決算書」というと、このあたりを思い浮かべるのではないでしょうか。
②銀行が求める「決算書」
銀行の方が指す「決算書」は①とは少し異なります。
①に加えて
- 確定申告書(法人税等)
- 勘定科目明細
が含まれます。
決算申告時の提出資料と同じです。
ただ「決算書を見せてください」と依頼すると、①を考える経営者の方が多いので、「決算申告で提出する決算書類一式をお願いします。」という言い方をします。
ちなみに、私が相談をお受けする場合でも、可能な限り②を見せていただけるようお伝えしています。
自社で活用する場合には①でも十分ですが、銀行など社外の方がその会社のことを深く理解しようとすると、②まで含めて見せてきただきたい、ということです。
③経営者が活用したい「決算書」
①も②も年1回の決算時のみ作成する書類です。
私は、経営者が決算書を活用するためには、最低でも月次単位での数字を把握することが不可欠と考えており、ここでは、
- (毎月作成する)試算表
も含めて「経営者が活用したい『決算書』」としました。
法人税などの税金計算は年1回なので、ちゃんとした貸借対照表や損益計算書を作成するのは年1回で足ります。
「試算表」は名前の通り、決算に向けた過程で、月単位で経理を締めて作成する月単位の貸借対照表や損益計算書です。
作成する義務はないので作成していない会社もありますし、作成している会社でも「融資を受けるときに銀行から出すように言われるので作っているが、決算を締めないと業績はわからない。」という声もよく伺います。
毎月、決算ほど手間暇かけられないので、「試算表」が簡易的な内容であることは間違いありません。
一方で、自社の経営状態を把握できるのが年1回の決算だけでは、少しスピード感に欠けるのではないでしょうか。
少なくとも月1回は「試算表」を用いて自社の経営状態が把握できるように、有効活用しやすい「試算表」を作る工夫が大切だと考えています。
このあたりは、改めて詳しくお伝えしていきますのでお楽しみに。
なお本記事は「経営者が実務上どのように理解しておけばいいか」を中心にまとめています。
どんな法律が根拠になっているの?他にはどんな書類があるの?上場会社は?などにご興味のあるかは、下記サイトをご参照ください。
決算報告書の種類の比較表がわかりやすくまとまっています。
https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/166/
(出所)マネーフォワードwebサイト
今回のまとめ
【経営者のための『決算書』のトリセツ】「決算書」って何を指しているの?
- 「①狭義の『決算書』」と「②銀行が求める『決算書』」は異なる。
- 「③経営者が活用したい『決算書』」には、毎月作成する「試算表」を含めて考える。
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株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅