【社外CFO通信100】利益と実際に残るキャッシュが違う4つの原因
こんんちは。八木です。
よく、
「利益と実際に残るキャッシュは違う」
と聞きますが、なぜ違うのでしょうか?
あるクライアントとの会話をもとに、
今回は4つのポイントをお伝えします。
超重要ポイントです。
2期分の決算書を準備して
ご自身の会社をチェックしてみてください。
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1.減価償却費
(損益計算書)
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利益の計算式、
「売上-費用=利益」
の「費用」のうち、
実際にはキャッシュを支払わない
費用があります。
それが「減価償却費」です。
減価償却費は設備費のことで、
設備購入額を利用期間に応じて
1年分の設備費を計上するものです。
たとえば、
600万円(耐用年数6年)の車両を購入した場合、
費用に計上するのは1年分の100万円です。
設備を購入した年以外は、
実際には支出がないのに
費用として計上しているため、
残る利益と実際のキャッシュの増減に
差異が生まれます。
減価償却費の影響を考慮して、
「利益+減価償却費=残るキャッシュ」
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
とざっくり捉えることもできます。
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2.売掛金や在庫、買掛金の増減
(2期分の貸借対照表を比べる)
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たとえば在庫が増えるということは、
「キャッシュが在庫に変わった
=キャッシュが減った」
と言えます。
在庫の増減は利益には影響しませんが、
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キャッシュの増減には影響します。
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たとえば受注増を見据えて
在庫を積み増す場合、
事前に在庫資金の準備が必要です。
同様のことが売掛金や買掛金にも
起こります。
・売掛金が増えた
=キャッシュの回収が後ろ倒しになった
=キャッシュが減った
・買掛金が増えた
=キャッシュの支払が後ろ倒しになった
=キャッシュが増えた
2期分の貸借対照表を並べて
売掛金、在庫、買掛金の増減を
確認してみてください。
ちなみに、受取手形や支払手形
も同じ考え方になります。
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3.設備投資など
(2期分の貸借対照表を比べる)
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30万円以上の設備投資をした場合、
設備代金の支払いは一括払いですが、
利益計算上は、耐用年数で割った金額を
減価償却費として計上します。
そのため、
設備投資での実際の支払額(キャッシュ減)と
費用計上額が異なるため、
利益と残るキャッシュの差異が生じます。
1.減価償却費と同様の例で、
600万円(耐用年数6年)の車両を購入した場合、
購入した年にキャッシュは600万円減りますが、
利益に影響するのは1年分の100万円のみです。
特に、大きな投資をした年は要注意です。
製造業など設備投資が必要な業種では、
黒字だからOKではなく、
設備投資に必要なキャッシュも見据えて
計画を立てていくことが大切です。
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4.借入金の増減
(2期分の貸借対照表を比べる)
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借入金の増減は利益には影響しません。
利息(金利)の支払は費用になるため、
利益に影響しますが、
元金の増減(借入や返済)は売上や費用にならず
利益には影響しません。
一方で、借入金の増減は
キャッシュの増減に大きく影響します。
借入金は利益よりも
大きな金額が動く場合が多いため、
・利益が出ているのに
キャッシュが減った
・利益が出ていないのに、
キャッシュが増えた
という場合、
まず疑うのは借入金の増減です。
毎年の返済額多い会社や
まとまった額の借入をした年は
特に気を付けてください。
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まとめ
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4つのポイントはいかがでしたか?
細かな違いは気にせず、
1~4の大きな差異を押さえたら、
大まかな差異は把握できます。
ぜひご自身の会社の決算書で
実際の数字をチェックしてみてください。
過去実績の把握も大切ですが、
特に予算や事業計画を立てる際に
これらの考え方が大切です。
利益計画を立てる際には、
キャッシュの予算や計画も
一緒に立ててみてください。
事前に計画を立てれば、
スムーズにお金が回せ、
余計な不安や心配なく
本業に集中できるようになります。
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最後までお読みいただき、
ありがとうございます。
あなたのビジネスを発展・成長させる
ヒントになれば幸いです。
株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅
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