【社外CFO通信3】「自己資本比率」の落とし穴とは?

こんにちは。八木です。

「自己資本比率」という指標を
ご存じでしょうか?

会社の健全性を示す
最も大切な財務指標です。

貸借対照表の
「純資産合計」
「資産合計」
の2つの数字を見て、

「自己資本比率=
純資産合計÷資産合計」

で計算します。

たとえば、

・純資産3億円
・総資産10億円

の会社の場合、

3億円÷10億円
=自己資本比率30%

となります。

「自己資本比率」を、
ざっくりと説明すると、

————————

「会社が持つ財産のうち、
自分のお金で買った財産の割合」

————————

です。

つまり、
「自己資本比率30%」
ということは、

「財産の30%は自分のお金で買い、
残り70%は他人からの借金で買った」

と言えます。

自分のお金で買った財産が
多い会社と少ない会社、

どちらが健全でしょうか?

借金は返済しなければならないので、
自分のお金で買った財産が多い方が、
健全度が高そうですね。

つまり、
自己資本比率が高い方が
健全度が高くなります。

では、
この指標を誰がみているのか?

それは、あなたの会社に

・融資をしている銀行
・掛けで売っている仕入先
・信用調査会社

などです。

つまり、自己資本比率は、

・銀行の格付けや融資審査
・仕入先との取引条件
・信用調査会社の格付け

に影響しています。

では、自己資本比率を上げるには、
どうすればいいのか?

計算式からわかるとおり、

・分子:純資産
・分母:総資産

なので、方法は

・分子の純資産を増やす
・分母の総資産を減らす

の2択です。

純資産は毎年の利益の蓄積です。

したがって、
毎年利益さえ出していれば
は少しずつ増えていきます。

一方、総資産を減らすには、

・余剰資金を銀行に返済する
・売掛金を減らす
・在庫を減らす

などの方法がありますが、
どれも簡単ではありません。

「損益計算書は見るが、
貸借対照表はあまり見ない」

という経営者も意外と多く
いらっしゃるので、

「毎年、利益さえ出していれば、
自己資本比率は自然と上がるはず。」

と考えがちです。

ここに落とし穴があります。

たとえば、
以下の例を見てください。

————————

▼2021年度の貸借対照表

・総資産10億円
・純資産3億円
→自己資本比率30%
(=3億円÷10億円)

▼2022年度利益と資産の増減

・利益+0.2億円
・借入+1億円
(銀行から1億円借りて、
預金を1億円増やした)
・在庫+0.5億円
(売上が増えてきたので、
在庫を0.5億円積み増した)

▼2022年度の貸借対照表

・総資産11.5億円
(=10+1+0.5)
・純資産3.2億円
(=3+0.2)
→自己資本比率28%
(≒3.2億円÷11.5億円)

————————

黒字にも関わらず、
30%あった自己資本比率が
28%に下がってしまいました。

・総資産10億円
・純資産3.2億円
→自己資本比率32%
(≒3.2億円÷10億円)

と、自己資本比率が上がります。

これは特殊な例ではなく、
貸借対照表を見ていない会社では
実際に起こりうる話です。

1年ではわずかな差ですが、
これが5年、10年と積み重なり、
大きな差となっていきます。

特に決算着地を検討する際は、
利益だけでなく、
貸借対照表にも
目を向けてみてください。

なお、
「自己資本比率」
に関しては、
他にも注意点があるので、
別の機会にご紹介していきます。

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最後までお読みいただき、
ありがとうございます。

あなたのビジネスを発展・成長させる
ヒントになれば幸いです。

株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅

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