【社外CFO通信92】自社の損益分岐点を把握していますか?

こんにちは。八木です。

みなさんの会社は、
黒字をキープするために、
最低限いくらの売上が必要ですか?

会社の黒字と赤字を分ける
ボーダーラインの売上を、
損益分岐点(売上高)と言います。

損益分岐点を上回れば黒字、
下回れば赤字になります。

この考え方が理解できると、

———-

・売上が10%増えれば、
利益はいくら増えるか?

・売上がいくらあれば、
利益1,000万円が残るか?

・販売単価を5%上げたら、
いくら利益が増えるか?

———-

なども簡単に計算でき、
見通しを持ちながら、
意思決定しやすくなります。

損益分岐点を計算する
ステップは以下のとおりです。

==========
1.「変動費」と「固定費」に分ける
==========

みなさんの会社の損益計算書の
売上原価と販管費の各費用を
「売上と連動して増減するか?」
を基準に、
「変動費」と「固定費」に分けます。

売上と連動して動くのが変動費、
売上によらず概ね一定なのが固定費です。

代表的な変動費には、
材料費や外注費などがあります。

固定費としては、
人件費や家賃、減価償却費など
が当てはまります。

厳密に分類すると手間なので、
近いと思える方に分類してOKです。

==========
2.損益計算書を
「変動損益計算書」に組み替える
==========

通常の損益計算書は
以下の構造になっています。

売上高 XXXX
売上原価 XXXX
売上総利益 XXXX
販管費 XXXX
営業利益 XXXX

1.で、売上原価と販管費を
変動費と固定費に組み替えたので、
損益計算書を以下のように
組み替えることができます。

売上高 XXXX
変動費 XXXX
限界利益 XXXX
固定費 XXXX
営業利益 XXXX

これを「変動損益計算書」と言います。

売上高から変動費を引いた金額を
「限界利益」と呼びます。

損益計算書では出てこない
利益ですね。

一番上の売上高と
一番最後の営業利益は、
どちらも同じ金額になります。

==========
3.限界利益率を計算する
==========

「変動損益計算書」を
さらに見ていきます。

仮の数字を入れてみました。

(A社)
売上高 100M
変動費 30M
限界利益 70M
固定費 60M
営業利益 10M
※M=百万円の略

変動費は売上高と連動して
変わります。

つまり、
売上高から変動費を引いた限界利益も
売上高と連動して変わります。

売上高100Mに対して、
限界利益70Mなので、
売上高に対する限界利益の割合、
「限界利益率」は70%です。

==========
4.損益分岐点の計算式
==========

売上高が変わっても、
「限界利益の割合」は一定なので、

売上に関係なく常に
「限界利益率70%」
と考えます。

固定費は売上に関わらず一定なので、
売上に関係なく常に「固定費60M」

と考えます。

そうすると、
A社の収益構造として、
下記の計算式が成り立ちます。

①売上高100M×限界利益率70%
=限界利益70M

②限界利益70M-固定費60M
=営業利益10M

==========
5.実際の計算例
==========

損益分岐点を計算してみましょう。

ここでの損益分岐点とは
営業利益ゼロの場合です。

営業利益ゼロから
売上高を逆算していきます。

どうなるでしょうか?

まず

②限界利益??-固定費60M
=営業利益ゼロ

なので、限界利益は60Mですね。

次に

①売上高??×限界利益率70%
=限界利益60M

なので、式を入れ替えて

①限界利益60M÷限界利益率70%
≒売上高85.7M

と計算できます。

損益分岐点は85.7Mです。

お気付きかもしれませんが、
損益分岐点を計算する際の
限界利益は固定費と同額なので、

①「限界利益60M」÷限界利益率70%
≒売上高85.7M

①「固定費60M」÷限界利益率70%
≒売上高85.7M

と言い換えられます。

これが教科書に載っている
損益分岐点の公式です。

損益分岐点は、
固定費と限界利益率(=1-変動費率)の
2つがわかれば計算できます。

公式を覚えるのではなく、
考え方を理解するのが、
実際に使いこなすコツですね。

==========

①と②の計算式を使えば、冒頭の、

———-

・売上が10%増えれば、
利益はいくら増えるか?

・売上がいくらあれば、
利益1,000万円が残るか?

・販売単価を5%上げたら、
いくら利益が増えるか?

———-

も簡単に計算できます。

ぜひ自社の数字に置き換えて
計算してみてください。

最近、幹部研修などで
クライアントの社員さんに
損益分岐点の考え方を伝える
シーンが複数ありました。

経営者だけでなく、
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みなさんのご参加をお待ちしています。

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最後までお読みいただき、
ありがとうございます。

あなたのビジネスを発展・成長させる
ヒントになれば幸いです。

株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅

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