【社外CFO通信7】手許現預金はいくらあればいい?

こんにちは。八木です。

最近、コロナ倒産のニュースを
よく見かけます。

思うように業績回復できず、
コロナ融資の返済本格化で、
苦しんでいる状況です。

一方、
平時に戻りつつある中で、

「緊急時は別として
借入はなるべく減らしたい。」

と考える経営者も多く
いらっしゃいます。

「借金=悪」
という構図です。

「無借金経営が理想」
と考えています。

本当に正しいのでしょうか?

私は、

優先すべきは手許現預金の確保
^^^^^^^^^^^^^^^^^
そのために必要なお金は借りる
^^^^^^^^^^^^^^^^^

と考えています。

もう少し具体的に言うと、

1年間赤字になっても
^^^^^^^^^^^
新規融資なしで乗り切れだけの
^^^^^^^^^^^^^^^^^
手許現預金を持っておく
^^^^^^^^^^^^^

という考え方です。

私が考える、
確保すべき手許現預金の
計算式は以下の通りです。

———————

①想定される赤字額
②資金繰りに必要な余裕分
(最低月商1ヵ月分程度)
③銀行への年間返済額×2年分

①+②+③の合計額が
確保すべき手許現預金額
です。

———————

たとえば、

・年商6億(月商0.5億)
・経常利益0.3億
・借入2億
・年間返済額0.2億
・想定される赤字額△0.3億

という会社の場合、

①想定される赤字額:0.3億
②資金繰りに必要な余裕分:0.5億
③銀行への年間返済額×2年分:
0.2億×2年分=0.4億

①+②+③=
0.3+0.5+0.4=1.2億
が確保すべき手許現預金
という計算になります。

ここから解説です。

———————

①想定される赤字額

過去実績や自社の収益構造から、
ざっくりと考えます。

②資金繰りに必要な余裕分

日常的な資金繰りを
安定して回すための余裕分で、
通常、月商1ヵ月分以上です。

③銀行への年間返済額×2年分

赤字決算の1年間、
追加融資ゼロでも
返済し続けるための資金です。

なぜ2年分なのか?

a.赤字決算後の1年間
b.赤字決算前の半年間
c.黒字化後の半年間

の合計2年間です。
(a+b+c)

a.赤字決算を出した後

赤字決算を出すと、
その後の1年間、
融資を受けづらくなります。

(実際には、
「赤字=融資NG」
ではありません。)

b.赤字決算前の半年間

銀行から融資を受ける場合、
決算から半年を過ぎると
試算表の提出を求められます。

赤字決算になる場合
当然、決算前から業績悪化しており、
試算表を提出して融資を受けることも
難しくなると想定されます。

c.黒字化後の半年間

黒字決算後も、
決算書を銀行に提出し、
銀行が審査するため、

融資再開まで半年程度は
見ておく必要があります。

———————

上記はあくまでも原則です。

たとえば、

・赤字幅が大きい
・業績回復に時間がかかる

などの場合には、
多少の手元資金があっても
無理に返済し続けず、

銀行に相談して
返済を一時的に止めることも

事業存続には有効な選択肢です。

そのほかにも、

・銀行や信用金庫とは
日頃からちゃんと付き合う

・万が一赤字になっても
1年以内に解消できるよう
あらかじめ打ち手を準備しておく。

といったことも大切です。

———————

会社ごとに事情は違い、
唯一絶対の正解はありません。

とは言え物差しが何もないと
考えづらいので、

みなさまの会社でも
上記の原則を物差しに、
検討してみてはいかがでしょうか

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最後までお読みいただき、
ありがとうございます。

あなたのビジネスを発展・成長させる
ヒントになれば幸いです。

株式会社C&Aパートナーズ
代表 八木雄毅

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